ポルノグラフィティ 15thライヴサーキット "BUTTERFLY EFFECT" に関する雑記

香川、山口、広島2日目、大阪初日、徳島、福井と、このツアーに6本参戦して、その感想文を書くうちに、
気になったことや考えたことをいくつか、トピックス的に書いてみました。
自分が参戦した公演毎の、というよりは、各公演を通しての、セットリストや演出など、共通部分についての話です。
念のためお断り、まったくの私見です。
映像は未視聴なので、また後日増える/変わるかもしれません。


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◆「夜間飛行」の演出について

今回のセットリスト1曲目。このツアーの世界観に一気に引き込んでくれる曲。
そしてそのための凝った演出。おおまかにいうと、
ステージ手前(メンバーと客席の間)に紗幕があって、そこには泡の映像。
メンバーの上には、明滅する豆電球が数個ついた紐のようなものがたくさん吊られている。
メンバーの後ろにも幕、そこには水面のような映像。
これは、ステージ上のメンバーが水中にいるってことを表しているんだと思うんだけど。

なぜか(個人的に)ツアー最終戦でいきあたった疑問があって。
そもそも、なんでこの曲にこういう演出で、水の中を表現してるんだろう。だって「夜間"飛行"」なのにね。

…このあとだらだらと書いていますが、先に言っておくと、答えは出ていません。
こんなふうに、ここまで考えてみたよ、という道筋の記録を一旦残してみます。
ほら、記述式問題の部分点狙いのような。


この演出からまず思いついたのは、このあとに演奏される「Part time love affair」の歌詞、
「♪泡のようにはじけてく『Why?』」そして「♪Wの海底」
でもそれがこの曲とどういう繋がり、共通点があるのかは思いつかない。。。
強いていえば、両曲の主人公と恋人(仮)の関係性かなぁ…
「夜間飛行」は主人公が女性で、「Part time love affair」は男性という違いがある(いっそ対になってる?)けど、
どちらも道ならぬ恋の曲、ってことかなぁ…
うぅむ、、、考えるほど「Why?」の海に沈んでいくばかり、、、
あっ、この演出、メンバーは水中というよりは海底、水底にいるって感じはあるかも。


と思ったところで思い出した、このあとのセットリスト(ライブ中盤)で披露される
朗読(ポエトリーリーディング)のなかの一節

海底から見上げた魚は 空を飛んでいて
空から見下ろした鳥は 海を泳いでいる

ぼかして書くけど、会報67号での新藤のこの曲に関する話を読むと、
この曲の主人公は飛行機に乗ってるのではなく、飛行機を見上げてるのかなぁと思ったことを思い出して。
それってこの詩で海底から魚を、そして空を見上げるさまと重なるよなぁと。

そしてもうひとつ、この詩での空と海の対比が、この曲にこの演出(映像)っていう対比に似てるなぁと。


そう考えてみると、今回のセットリストには「空」を連想させる曲と「海」を連想させる曲がそれぞれあるんじゃないかなぁ。
ぱっと思いついたものを並べると
「空」
・「夜間飛行」
・「ギフト」(「♪最初に空を飛んだ鳥は〜」)
・「キング&クイーン」(「♪誰よりも高く飛ぶんだ」)

「海」
・「Part time love affair」(先述のとおり)
・「Fade away」(「♪海面を突き破って〜」)

余談気味に…そのほかでいうと、
「メリッサ」は「空を見て迷うばかり」の主人公が、
羽ばたく鳥に対して「お前の背に俺も乗せてくれないか」とうたっている(="俺"は飛べてない、「地を這うばかり」)
「Rainbow」と「ハネウマライダー」は空でも海でもない、陸を「走る」うただよなぁとか思いつつ。

そして「月飼い」、この曲は「空」も「海(水上)」も思わせるんだよなぁ。
「♪君とならば行けると思っていた暗雲の先」、「♪月を空に返した」、「♪小ぶりな月が水面に浮かぶ」とか。
そもそもサビの「♪東から漕ぎ出した船は」っていうのが、空に浮かぶ月を海に浮かぶ舟にたとえてるんだろうなぁと思うの。


ここまで考えて気になったのが、「海」を連想させる曲がセットリストの中盤に固まっていること。
その一方で空をイメージさせる曲は、その直後の"希望のうた"ゾーンの何曲かで出てきて、そこで「飛んでいる」こと。

そう…考えると、うーん、飛ぶために一度水中に潜るようなこともある、
場合によってはそういうことも"必要"、ってこと、なの、か、なぁ。
それをライブの1曲目の曲と演出の対比で暗示してる…ってことはないかなぁ…(弱気)(ここまで書いといて)


あっ、でもこのセットリストの「空」と「海」の曲の並びのなかで、唯一の例外がライブ冒頭で演奏される「夜間飛行」。
ただし先述のとおり、この曲で主人公は飛んでない(と思う)

となると、「飛んでない」ことを強調するために、主人公が飛行機を見上げる側にいることの象徴として、
飛行機が飛んでいる「空」と対になる、「海」、水中にいるさまを表してる、のかなぁ。


もしくは…もういっこ気になってたのが、手前の紗幕に映る泡の映像。
曲頭から降りてきてた泡が、大サビ前の「FLY」のあとで上がっていくこと。

もともと、個人的にこの大文字の「FLY」は、命令文のようなものかなと思ってて。
管制官が出す司令というか、もしくは魔法の呪文というか、そういう意味なのかなと思ってたんだけど。

この「FLY」という言葉は1サビ前にも2サビ前にもあるけれど、
ここでうたわれるその言葉は、なんというか渾身の、しぼり出すような「FLY」で。
それはもう、"お願いだから"とか、"頼むから"とか、そういう言葉が続きそうなくらいに切望している感じがあって。
そしてその言葉に続いて、ずっと降りてきてたあまたの泡が一斉に上がっていくんだよね。空へ向かって。
そう、言ってしまえば"飛ぶ"んだよね。念じた「FLY」が通じたかのように。


…これだけ考えてみても、正直どれも腑に落ちたわけじゃなくって。
どなたさまでも、なにか思いついたことがあったらぜひお声かけください。。。


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◆「月飼い」について

今回のセットリスト13曲目。
今回のライブで最も衝撃的だったのはこの曲の披露だった、というファンも多いのでは。わたしもそうです。
その理由を言葉にしてみますよ、という項。

この曲は、2003年リリースのシングル『メリッサ』のカップリング曲。
リリース直後からファンの間でとても人気のある曲で、個人的にもすきな曲。
新藤の詞世界も、Tamaちゃんの曲も、そして岡野のうたも、そのすべてを等しく同時に堪能できる、
まさにわたしのすきな”ポルノグラフィティ”にどっぷり浸れる、そんな曲。

ライブで披露されたのは今回が3回目。
1回目は2003〜2004年にかけてのツアー"74ers"、
2回目は2009年のツアー"ロイヤルストレートフラッシュ"(以下、ロイフラ)。

"74ers"はこの曲のリリース後、最初のツアーだった、として。
ロイフラではファンが聴きたい曲だからやった、はず。
ロイフラ直前に行なわれたファンクラブツアー(FCUW3)での「シングル以外で聴きたい曲」アンケートで、
非常に人気のあった曲*1だったから、
そのリクエストに応えて、まぁ言うなればファンサーヴィス的に。

そして今回。もちろんあくまでも勝手な推測だけど、
今回はかれらがやりたくてやったんじゃないかなと思っている。
「ファンに人気の曲だから」ってことは、極端にいえばそんなことは考えずに。
"いまの自分たちがやりたい"ライブの構成に必要だったから、あくまでもそちらありきで、そういう状況で、
この曲を選んで、こういう演出でやったのかなって、そうおもうんだ。

なぜなら、この曲前のポエトリーリーディングこそが、いまの新藤個人がやりたいことなんだろうなと思ったし、
そこで表現したいもののためには「月飼い」という曲が必要だったから、
今回、リリースツアーにも関わらずこの曲をああいうかたちで演奏することを選んだと思うからです。
繰り返します、個人の感想です。

以下、もしそうだとして、という仮定の話をします。


◯あちらのやりたいことと、こちらの観たいものが一致したこと
もちろん、ファンの希望に沿ってくれるのもうれしい。こちらのことをちゃんと考えてくれてるんだなって思えるから。
それとは別で、かれらのやりたい曲とわたし(たち)の聴きたい曲や観たい演出とが一致していた、って、
もしそうならそりゃあうれしいじゃん。
自分にとってだいじな曲を、あちらもだいじに届けてくれること。そんなんめちゃめちゃうれしいよ。


ポルノグラフィティというバンドが、オリジナルアルバムのレコ発ライブで、
過去曲にこれほどまでの意味をもたせて演奏すること、言うなれば、ヘソ曲にすること。
レコ発ライブのなかでそういう手法を用いること。
そうしてくれたらいいのになって、ひとつの手段として、選択肢として取り入れてくれたらいいのになって、ずっと思ってたから。

おそらく、このライブで「ポルノグラフィティ」として客席に届けたいのは、「希望のうた」たちだったんじゃないかと思ってる。
なかでも「キング&クイーン」、言ってしまえば、あそこでああいう風にあの曲を届けるのが、このライブの主題だと思う。
でもそれとは別で、極端な言い方をすると、表現者としてのエゴもあって、今回この曲をやりたかったのかなぁと思う。
あるいはもしかしたら、その「希望のうた」への道のりには必要だと判断したんじゃないのかな、「月飼い」という曲が。
そこでこの曲を選んで、出してきたってことがうれしい。そういう選択肢を揃えたこと、そのなかからこの曲を選択したこと。


◯「月飼い」という懐かしい曲を、新しいかたちで聴かせてくれること
演出も含めて、これまでの演奏時とは違った意味をもたせてたと思う。
演奏もそう、個人的初戦の香川でびっくりしたの、ものすごくロックだった。この曲ってこんなにロックだったんだ、と。
懐かしい曲を新しくやること、懐かしい曲で新しいことをやること。
個人的な話で失礼、これ、FCUW5のアンケートで書いたんだよね、「ポルノグラフィティへの今後のリクエスト」っていう項目で、
「過去の曲を新しい形で聴かせてくれたらうれしいです」って。
今回、望みうる最上のかたちで叶えてもらってるじゃんか…!


つまり、今回のツアーにおけるこの曲をこれほど大きなトピックとして捉えるのは、
単に「これまであまり演奏されなかったすきな曲、"ファンの間で言われる名曲"が聴けた」というだけではないんだよ。という話。
ほんとうに、何重もの意味でうれしいんだ…


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◆「170828-29」について
大阪初日のあとかなぁ。この曲についてちょっと考えてて。
そこでこの曲の解釈…自分なりの解釈を、言葉にしてみる機会があったので、ここに置いておく。

ミサイルがいつ飛んできてもおかしくない世界で、自分はいったいどうすればよいのか。
守りたい人がいるから、丸腰でやられるわけにはいかない。
でも現時点では「華奢な傘*2」しかないし、それをどうにかする(ことを検討する)ためには時間が必要。
そもそもの話、戦争なんて時代遅れなことをいまこの時代のこの国で考えなきゃならんのか。
そんなことを言っているいま、まさにこの瞬間も、「ミサイルがいつ飛んできてもおかしくない」という現実を生きている。
それでも、たとえどんな状況でも、「ピースピース」と口にすることはやめちゃいけない、
言いつづけなきゃいけないんだ。

それぞれの曲について、なんとなくの解釈、読み解きってもってるんだけど、こうしてちゃんと文章にしてみたことって意外となくて。
さらにはこれを(Twitterで)書いてみたら、まわりのひとの解釈を聴かせてもらう機会があったんだけど、
それぞれがちょっとずつ違っていて、それも面白かったなぁ。


もうひとつ、「♪戦場からインスタグラム」のくだりに関して思ったことも置いておく。

○ここって「戦場」と「インスタグラム」の対比かなと思うんだけど、いま思いつく対比がふたつあって。
・「戦場」に対する「平和」の象徴としての「インスタグラム」
・「戦場」が時代遅れなもの、それに対して時代の先端(今時)なものとしての「インスタグラム」
("時代遅れ"は一行前の歌詞から。「戦場に子を送り出した母が涙する」というシチュエーションがもはや時代遅れな話だ、ってことなのかなと)

○「決して映えはしない」と「ピースピース」も含めて
戦場からのインスタグラムにも、自撮りや仲間との写真を載せるとして。
そういう写真で定番のポーズといえば、ピースサイン
戦場でインスタグラムのために掲げられるピースサイン。その違和感、むなしさ、"映えなさ"たるや。


…とかなんとか言ってたらあの福井だもんね。ほんとにね。なにがあるかわからんもんよ。


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◆"74ers"との関連性

…当初はこのことを書こうと思ったわけではなくて。
「このツアーは長くファンやってきた人ほどぐっとくる」的な話をちらちら耳にしてて。
言いたいことはわかるんだけど、なにかがわたしの考えとは決定的に違う、と思ってて、
それがどう違うか書けそうなので書いてみた、ら、"74ers"との関連性の話が大きくなってしまったので。
便宜上、こういうタイトルにします。


そもそも、あるライブに対して、それがぐっとくるかどうか、どんなふうにぐっとくるかは観る人によって違う。
それにはいろんな要素があると思うけど、ファン歴を含めたそれまでの人生経験も、当然ひとつの要素としてあると思う。
それはいかなるライブでもそう、当たり前のこと。
(ほら、みんなだいすき「カメレオン・レンズ」の1番Aメロを思い出してみて)
だから「ぐっときた」度合いなんてものは比較できないし、一概にファン歴で語れるものでもないと思っている。

ただ、今回のライブに関していえば、
過去のツアー"74ers"を経験したかどうかで、感じかたは変わってくるんじゃないか、とは思う。
(※言うまでもなく個人の感想です)
もっとも、それが現地参戦か、映像を通じた経験か、
もっといえば、たとえば現地参戦してても、その前のライブに行っていたかとか、そのツアーに行った回数だとか、
その他いろいろ、そこの違いもあると思うけど。

なぜなら、このツアーはどうしてもわたし自身の経験のなかの"74ers"を思い出させるから。
「ワールド☆サタデーグラフティ」や「月飼い」という曲目、これまでにない試みも取り入れた演出("ショウ"要素も多分にある)など。
そして依然書いた記事の繰り返しになるけど、ライブ前のインタビュー(ナタリーのアルバム特集)での新藤の言葉。

natalie.mu

「Real Days*3」での新藤の言葉と重なるところは大いにあると思う。

さらに脱線してわたしの話をすれば、"74ers"が人生初ライブで、当然めちゃくちゃ思い入れがありますが、
今回のツアーも、それはもうめちゃめちゃぐっときた、だいじにしたいツアーでした。
だから(個人的な)ツアーの最初と最後には、"74ers"のツアーTを着て行きました。
そして、実はこないだの福井にて、それに関連した理由でちょっと絶望もしました。数曲後には元気になったけど。(詳細は福井公演の感想文にて)


話を戻して。
繰り返すけど、ファン歴が違ったとして、だからわたしのほうがぐっとくるとか、あなたのほうが思い入れがあるとか、そうは思わないです。
でもたぶん、ほかのライブと同じように、ひとによってみえるものは違うと思う。
たとえ同じ公演に行っていたとしても、隣の席で参戦していたとしても。
だってそれぞれが"色を変えたり歪めたり"しているはずだから。あなたもわたしも、きっとあのひとも。

だから、わたしは自分が感じたことをだいじにしたいと思うし、だいじなあなたの感想が聴きたいんです。それが同じような内容でも、違ってても、聴きたいんです。(完)


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こうして考えるポイントをたくさん提示してくれる、こういうたくさんのしかけのある、示唆に富んだライブをしてくれて、
それをこうして受け取れてこころからしあわせです。
だからこそかれらのライブは何回でも行きたいし、どの席でもたのしめるんだ。
もちろん受け取れてないところもあるんだろうけれど、いまのわたしのベストがこれです。

きっとこれまでのツアーもそうだっただろうし、今回のこのツアーでもそう、いまのかれらのベストを出して届けてくれるんだろうから、
わたしもそれに現時点でのベストで応えたいと思って参戦してました。(2010年TARGETツアーのときからそう)
(ちなみに…単発ライブでもそうなんだろうけど、ツアーのほうがその心意気は強いんじゃないかなと思う。
だから毎回、ツアー初戦は「かかってこいや!」という気持ちで臨んでいる)

今回はそれが出来たとおもえているから、ファンとして自信をもっていられるし、
そしてこれからもそういう関係でいたいと、おこがましいながらに思うんだ。


このツアーはほんとにすきなツアーで、これからもずっとずっとだいじにするツアーだと思ってるし、
正直この4ヶ月(17年12月〜18年3月)は、このツアーにめちゃくちゃ助けられた。救われた。何回も。
だから今後の人生で行き詰まったときのために定演してほしい、とすら思うんだけど。(映像化はよ)

きっとかれらにとっての「ポルノグラフィティ」の完成形はこれではないし
(だから次へ進む、次のライブが具体的に決まってるんだと思う)、
わたしもそこへ一緒に進みたいです。
そのためにはまだまだ、次のライブまでにまだまだがんばらないといけないな。

とにかく、39公演を完走できてほんとによかった、よかった。
毎回その場でも伝えてきたけど、まだまだ伝えたいよ。いつもありがとう、ずっとだいすき。

*1:ソースはたしか会報だったと思うんだけど…見つけられてない

*2:これは「核の傘」とかけているのだろうか…?

*3:"74ers"のツアードキュメントブック