Dreamin' Dawn

ほとんどまぁまぁのポエム

<2020年6月の読書日記>

エレンの日記

エレンの日記

たしかこのtweetで知って、買ったのは広島の本屋さんにて。

美しい彫刻のような本で、それを眺めるような読書だった。
シンプルだけれども複雑で、ところどころ鋭利な切先があって、すっとひとり立っている。ただそこに立って、自立している、そんな本。

こちらになにかを投げかけたり、ましてや共感を求めることもない。
だからその切先に怖さや反発はない。こちらとは適度な距離感で、ただそこに"ある"だけ。

遠い世界の違う時代*1を生きていた記録。
それも含めて、わたしにとっては貴重な本だった。すきです。


ナイン・ストーリーズ (新潮文庫)

ナイン・ストーリーズ (新潮文庫)

再読。前回読んだときの感想はこちら。

今回読後の印象が強烈だったのは「コネティカットの〜」。なんというか、胸を掴まれる思い。
笑い男」も「小舟のほとりで」も前回より強く印象に残っている。
今回はひとつ読むごとにWikipediaなどで解説を読みながら読んでみたところで、
いかに自分が物語の表面をなぞっていただけかを思い知らされた。痛烈に。


おめかしの引力 (朝日文庫)

おめかしの引力 (朝日文庫)

表題の朝日新聞での連載はちょこちょこ読んでたし、単行本でも通して読んだことがあったので、
「あぁこれこれ」といった馴染み深さを感じつつ。

文庫本で追加された、雑誌「ELLE」の連載と最後の対談部分、前半とのトーンの対比がすさまじい。
表題部分の連載で多く話されているのは、個人のこと(幼少期の思い出含む)だったのに対して、
こちらでは世界的メゾンのこと、そして社会のことへと、お話のスケールがどんどん大きくなるさまに圧倒されるなど。

もちろん(連載、そして対談の)場の力によるところもあるんだろうなと思いつつ、
どっちも大切なお話だし、耳を傾けていたいな、と
そう思わせられるのは、わたしが「未映子さんの文章」の読者だからなのかなぁ。


* * * * * * *


世の中は少しずつ動きはじめているけれど、わたしにとってはまだまだまったく動いてなくて。
それはたぶん、ライブも試合もなくて、出かける予定もないからで。
それがあってはじめてわたしの「生活」が成り立つのかもしれないなぁ、などと。

そんななか、いちばん身近な「心の病院」へ、現地へ行けたことがどれだけ大きいことだったか。
改装工事が終わったばかりの、猪熊弦一郎現代美術館へ。


(撮影可の某展示作品をアップで撮影)(これだけ見てもさっぱりわからんね)(…)

中のつくりがほぼ変わってなくてうれしかった!
安心感のある天井の高さも、踊り出したくなる床も、何十分も眺めていられる窓の、そして展示室の景色も。
リニューアルしたカフェにはまだ行けてないから、近いうちにうち行くつもり。

こうやって少しずつでも、ひとつずつでもいいから、
これまで近くにあった(そして今回離れてしまった)しあわせが帰ってきますように。
そのためにも、新しいものを受け入れる努力もしないといけない、ね。

*1:こちらも生まれてはいたけれど