Dreamin' Dawn

たいがいまぁまぁのポエム

<2020年7月の読書記録>

魔法飛行 (中公文庫)

魔法飛行 (中公文庫)

1冊を通して灰色のイメージ(とりわけ前半にその色が濃い)
でもそのなかにどこかに飛んでいけそうな白い光も感じられて。
たしか初読でもそうだった、「しかし世界には〜」の回に圧倒される。
個人的な出来事があったのだろう(と推測される)とき、そのときの感情の入った文章は、こんなにも強い。


わたし、どうやら「繊細さん」だったようだ。

この本を手に取ったきっかけはふたつ。
まずは最上もがさんのInstagram、この著者さんの別著に触れてたのを目にして。
そしてちょうど同じ時期、たまたま本屋さんで見かけて立ち読みした『anan』のバックナンバーにて。

よくある「この質問のうち、いくつかYESと答えた人は『繊細さん』かも!?」といった類の質問コーナーを見たところで。
びっくりした、きれいに全部当てはまってやんの。こんなことあるんか。。。
驚いたところで、各種レビューも参考にさせてもらってこちらを購入。

たとえば、会社の電話を取るかどうかのくだり。
最近まで数年間、職場の電話係もする部署に所属していたところで、
まさにそう、"自分の仕事が遅い"から、キャリアの途中からは電話が鳴るたびに自分を宥めすかしていた。
「さっきワンコールで取ったでしょ、だからしばらくは自分がワンコールで取らなくていいのよ」と。
そしてこのことを面談で(割と理解のありそうな)上司にも話してみたものの、あまり腑に落ちない様子だったことも思い出した。
今となってはそのことも経験だ、と思えてはいるけれど。

苦手をがんばるのでなく、得意をがんばる、後者に近い環境に動けたことは本当によかったことだと思う。
在宅期間が終わったいまだからこそ、改めて。

なかには表現について引っかかる箇所もあったけれど、それも「繊細さん」ならではの反応なのかもなぁ、などと。
読んでよかったし、自分の味方が増えたような気持ち。ときどき読み返そうと思う。


装丁の美しさと、帯の文章を読んで「自らの状況に近しいところがあるな」と思って手に取った。
…きっと共感を求めていたんだと思う。でもそれは叶わなかった。著者のような道は選べてないし、選べそうにもないや。

たぶん、他人ごととして、違う環境や立場で読めたらきっともっとわくわく読めたんだろうなぁ。
近しい状況にいる著者と自分を比較することで、相対的に自らの価値観を見つめられた、という価値はあったし、
いくつかの言葉は響いて残っている。その言葉たちはたぶん、いまのわたしの環境だからこそ残ったものたち。

* * * * * * *



(画像がひっくり返る。なぜ。)
何度目かの直島、一度目のベネッセハウス(泊)。

直島はわたしにとってうってつけのリゾート地だよなと、何度目かの感想。
日帰りできるけれども、日常からは遠い場所で、
馴染みのある瀬戸内海の海景なのに、普段の生活ではお目にかかれない作品があって。

たぶん、港からフェリーで1時間というのがちょうどよい塩梅で。
おそらくこれより遠いと気軽には行けないし、
かと言って15分では近すぎる、なおあくまでも「リゾート」としての話

別荘のように、とはいかないけれど、ベネッセハウスをひとつ逃避行の選択肢にできると、よりよい生活になるのではないかなぁ


それにしても、こういう話ばっかりでブログを埋めてしまうこと、早半年以上。
そろそろどこかに行きたい、行ってたのしみたい。家にいるのは割とすきだけれど。なぁ。